130万円の壁が106万円の壁に?配偶者控除が廃止されたら?
2016/02/03
子どもがある程度育ったら、パートやアルバイトに出る主婦の方は多いですよね。そこではよく、年収103万円の壁、年収130万円の壁という話を聞きませんか?年収103万円を超えないように働きたい主婦の方も多いのではないでしょうか?103万円というのは、サラリーマンのご主人がいるご家庭での扶養範囲にあたります。しかし、この制度も見直されようとしています。
今回は会社員の妻の働き方について考えてみたいと思います。
年収103万円の壁って何?
会社員の妻がパートに出るなどして年に103万円以上働くと、税金の負担額が増えたり夫の会社からの配偶者手当の支給が打ち切られたりします。その結果、妻の収入は増えても世帯全体の手取り額としては減ってしまうことがあるのです。このため、働いても手取りが減ってしまうなら、103万円以内で働こうとする主婦の方が少なくないのです。
働く妻の所得税の計算で、収入から控除できるのは二つです。
- 「給与所得控除」65万円
- 「基礎控除」 38万円
合計した金額が103万円となって、これを超えると所得税課税の対象になってきます。妻の収入が103万円以下で他に収入がない場合、所得税はかかりません。
また、働く主婦の年収が100万円を超えると住民税が課税されます。
※お住まいの市町村により異なりますが、パートの収入が100万円以下でも住民税がかかる場合があります。
103万円を超えたら、配偶者控除の代わりに「配偶者特別控除」が金額に応じて受けられるようになります。
妻の年収が上がるにしたがって配偶者特別控除額が減っていって、141万円を超えると特別控除はなくなります。年収103万円を超えたとしても、配偶者特別控除があるので手取りとしては増加していきますので、年収130万円を超えるまではあまり気にしなくてもいいとされることが多いでしょう。
給与収入額 | 配偶者特別控除 |
103万円以下 | – |
103万円超105万円未満 | 38万円 |
105万円以上110万円未満 | 36万円 |
110万円以上115万円未満 | 31万円 |
115万円以上120万円未満 | 26万円 |
120万円以上125万円未満 | 21万円 |
125万円以上130万円未満 | 16万円 |
130万円以上135万円未満 | 11万円 |
135万円以上140万円未満 | 6万円 |
140万円以上141万円未満 | 3万円 |
141万円以上 | – |
130万円の壁が106万円の壁になるって本当?
130万円までの年収であれば、給与所得控除、配偶者控除が受けられます。
妻の年収が130万円を超えると、扶養家族からはずれます。
夫の被扶養者からはずれると、自身で社会保険(年金や健康保険)に加入する必要が出てきます。これは、年間で25万円の負担増となります。家計の大きな負担になりますよね。
しかも、2016年10月からは短時間労働者に対する厚生年金・健康保険適用の基準が拡大される見込みがあります。
一定の条件に当てはまる場合、年収106万円(週20時間以上で月額賃金8.8万円以上、勤続期間1年以上、学生除く)を超えると社会保険料の負担をしなくてはなりません。
当初は従業員501人以上の企業での実施となります。
130万円の壁は、いずれ「106万円の壁」へと影響が大きくなってきます。
ただし、社会保険に加入するとデメリットばかりではありません。
将来は厚生年金を受け取れるというメリットや、病気や怪我で働けなくなった場合、期間限定ではありますが健康保険から傷病手当てがもらえます。
配偶者控除が廃止、縮小されたら?
現在収入を103万円以内に抑えてた働き方をしている場合、配偶者控除の廃止や縮小は動向が気になりますよね。
103万円以上働くことによる家計への影響を一度見直して見ましょう。
- 妻自身が所得税をいくら払うのか
- 夫の会社からの配偶者手当はいくら減るのか
手当てが手厚く支払われていた場合、年収は多少増えたとしても、もらっていた手当ての分の収入減のほうが多くなることもあります。
税金の負担額を減らすか、いっそのこと労働を増やしてしまうのかは、ご家庭の事情や方針によると思います。ご家族でしっかりと話し合うことがとても重要です。
まとめ
配偶者控除の制度があることが原因で女性の働く意欲を阻害しているという考えから、配偶者控除を見直そうと議論をしているようです。働きたくても、子どもが小さい、保育園に入れない、介護がある、など、それぞれの家庭の事情があるのも事実です。
配偶者控除の見直しは、現在検討段階ですので、ニュースなどでしっかりとチェックしていくことが大切です。