冬季うつの症状や原因、治療は?自分でできる対処法は?チェックリスト
2016/09/12
寒くなってくると、朝起きても布団から出たくなくていつまでも暖かい布団の中でゴロゴロ。朝も日が昇るのが遅くなるので、なかなか起きられないですよね。夏は元気なのに、冬になるとやたらと睡眠時間が長くなったり、気が滅入ったり、妙に食欲が出てきたりしていませんか?
寒いから動くのが億劫なだけ、と思ってしまいがちですが、もしかしたら、それは「冬季うつ」が原因かもしれません。
冬季うつについてまとめてみました。
目次
冬季うつの症状は?
「冬季うつ」は、季節性うつ病(季節性気分障害)の一種です。秋から冬にかけて、毎年うつ病と思われる症状が出る病気です。
秋になると悪化し、春に症状が消えるということが「2年以上」続く場合に、「冬季うつ」と診断されます。
日照時間が短くなる冬の間、気が滅入ったり食欲が出てきたり、心身の調子に変化が表れます。
過眠と過食、特に「甘いものを無性に食べたくなる」という症状が見られるのが冬季うつの特徴です。
常識を超えた量の甘いものを食べ続けたり、1日に10時間寝てもまだ起きられなかったり・・・。
夏は元気なのに、冬にだけこれらの症状が現れて仕事に支障が出るようであれば、「冬季うつ」かもしれません。
冬にだけこんな症状が出たら注意しましょう。
□ 睡眠時間が長くなり、朝起きられなくなる
□ 一日中、横になって過ごしたい
□ 炭水化物に偏った食事で、体重が増える
□ 甘いものを好むようになった
□ 仕事や家事に集中できなくなった
□ しばしば悲しくなり、泣けてきてしまう
□ 自己否定的になる
□ 人付き合いが億劫になった
□ 趣味などへの好奇心が低下した
日常生活に支障があるほどの症状がある場合は、早めに専門医を受診しましょう。
冬季うつの原因と治療は?
冬季うつが発生する割合は、男性:女性=1:4以上だと言われています。男性には比較的珍しく、女性に多いタイプのうつ病でです。
近親者にうつ病歴のある人がいるや、ストレスをかかえている人がなりやすい傾向があります。
・高緯度の土地への引っ越し
・光が入りにくい部屋への転居
・生活リズムの乱れ
・過度のダイエットによる食事の偏りなど
冬季うつ病は、日照時間と深く関係します。
昼間に日光を十分に浴びると、目から脳に信号が伝わります。夜間に、松果体という部分からメラトニンというホルモンが
分泌されます。
メラトニンは、睡眠を調整し体内時計を24時間に整えてくれます。
冬場に日光を浴びる量が減ると、メラトニンが十分に分泌されません。
その結果、睡眠のリズムが乱れてしまい、抑うつ症状(疲れやすい、食欲がおさえられない、気分の落ち込みなど)が出やすくなってしまうのです。
治療には人工的に光を浴びる「光照射療法」が用いられます。一般的な学習スタンドの2~3倍程度の光を毎朝数時間、器械を使って浴びます。
自宅で行うこともでき、数週間のうちに症状が改善されます。あわせて気分安定薬を継続的に服用することで、発症を予防します。
日常生活で気を付けることは?
生活の見直しなど、日常生活でできることをご紹介します。
日光に当たる
日光に当たる時間が長くなれば症状は軽快する傾向があります。まずは、朝起きたら積極的に朝の光を浴びましょう。できない場合は、部屋の照明を明るくしましょう。
日当たりの悪い部屋に住んでいるのであれば、日光を取り入れる工夫をするか、引っ越しの検討をしてみてもいいかもしれません。
早寝早起き
毎日同じ時間に起きるようにしましょう。光を浴びることで、体内時計が24時間にセットされます。
冬は特に、早寝早起きを心がけることが大切です。
食事を工夫する
一日三食規則正しく食べましょう。
メラトニンの素となるセロトニンを増やす食事も大切です。肉、魚、大豆などたんぱく質の摂取を心がけましょう。
ビタミンB6が多いバナナやさつまいも、レバー、青魚などもぜひ摂取したい栄養素です。
少しずつ体を動かす
体を動かすのが億劫でも、部屋を片づけたり、掃除などから始めてみましょう。日光のもと、軽いウォーキングも効果的です。
やることを整理する
やるべきことが多くてうまく処理できないと、気分も落ち込みます。実行可能なことに優先順位をつけて、時間を有効活用しましょう。
達成感を感じることで、気分の落ち込みが改善するかもしれません。
まとめ
日常生活に支障があるほどつらい症状があるのであれば早めに病院に行かれることをおすすめします。
冬はなんとなく、寒くて家から出たくないし朝もゆっくり寝ていたいですよね・・・。冬は日が短く、夕方になると真っ暗になるので、社会人の方はほとんど太陽を見ていない生活、なんてこともありますよね。
冬季うつ病の予防にもなるので、早寝早起きを心がけ、積極的に日光を浴びるようしていきたいものです。